無添加石鹸本舗様に聞いた『驚きや新鮮さを感じさせるパッケージデザインの工夫』

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女性であれば旅行に行ったとき、ホテルの石鹸やボディソープの洗浄力が強すぎて、満足できなかった経験があるのではないでしょうか。お肌に優しい石鹸を旅行に持っていきたくても、スーツケースの中でかさばってしまうために、あきらめてしまっているという方もいるかもしれません。

無添加石鹸本舗様が販売している「旅する石鹸シリーズ」は、小さな箱の中に、個包装された石鹸が入っており、旅行にも持ち運びやすいのが特徴的。まるでキャラメルを思わせるかわいらしいデザインは、女性を中心に人気を博しています。

今回は、旅する石鹸シリーズのパッケージデザインのこだわりについて、代表・西垣壮南(にしがき・そまむ)さんにお話を伺いました。
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「旅する石鹸シリーズ」のパッケージデザインにおける工夫

――旅する石鹸シリーズは、お客様の声から生まれた商品だそうですね。お客様からはどういったご要望があったのでしょうか? また、商品の主な購買層はどのような方々なのでしょうか?
西垣さん(以下、西垣):以前より、肌トラブルに悩まされているお客様から、「日帰り温泉・旅行に行ったときに使えるように、1回使い切りサイズの石鹸を作ってほしい」というご要望をいただいていました。旅する石鹸シリーズは、そういったお客様の声から生まれた製品です。

お客様に安心してお使いいただけるように、防腐剤といった品質安定剤、化学香料・色素などは使用せず、食品原料のみを使い、無添加での商品づくりを行っています。そのため、お肌のトラブルを持っていらっしゃる方だけでなく、環境にやさしい製品を求めていらっしゃる方にもご愛用いただいております。また、年齢のお悩みが増える40~50代の女性には「肌に負担の少ない商品」として、お選びいただけることも多いようです。

――パッケージデザインにおけるこだわりを教えてください。
西垣: パッケージは「合成」を思わせるような、派手で飾り立てたデザインにはせず、シンプルで「自然の風合い」が出るような、色・書体・イラストを選びました。

――パッケージには、「こめぬか」であれば稲穂とスズメ、「はちみつ」であれば、ミツバチというようにイラストが描かれていますね。シンプルですが、とても印象的です。
西垣:デフォルメしすぎたり、かわいらしすぎたりするキャラクターはうちの商品に合わないので、ああいった自然な感じのイラストを採用しました。

ちなみに、「こめぬか」は動きが欲しかったので、稲穂の絵だけではなくて、スズメが餌を食べる様子もプリントしているんです。また、それぞれのイラストは主張しすぎないように、大きさにも気を付けています。

「かわいい!」と思ってもらえるパッケージデザインにしたかった

――キャラメルのような形状にした理由は何なのでしょうか?
西垣:商品コンセプトは、「1回使い切り」ですので、なるべく持ち運びやすい形状にしたいと考えました。当初は、「キャンディー」「液体」「スライスチーズ」の形状にするアイディアも出たのですが、どれもピンとこなかったんですね。でも、デザインユニット「五八PRODUCTS」の五島史士さんに「キャラメル」の形をご提案いただいて、イメージにぴったりだと感じたんです。

日本人は、キャラメルのお菓子が好きですし、今までありそうでなかったデザインが面白いと思いました。箱を開けた瞬間、「かわいい!」とほほ笑んでもらえるようなデザインに仕上げたいという思いもあり、キャラメルの形を採用することにしました。

お客様の中には、旅する石鹸をお友達にプレゼントしている方も多いようです。贈った方に、驚きや新鮮さを感じてもらえるパッケージデザインになっているのではないかなと思っています。

――旅する石鹸シリーズは、2013年のグッドデザイン賞を受賞していると伺いました。具体的に、どういった点が評価を受けたのでしょうか?
西垣:今まで1回使い切りの石鹸というと、紙石鹸くらいしか売られていませんでした。旅する石鹸のようなキャラメル型のものは珍しいということで、お選びいただけたのだと思います。

――パッケージ印刷業界に対して、ご意見やご要望はありますか?
西垣: うちのような会社は、「多品種・小ロット」で印刷をお願いすることが多いのですが、ロットが小さくなると印刷価格がポンと上がってしまうのは悩ましい点です。今後、技術が開発されて、小ロットでの印刷がしやすくなるといいと思いますね。

原料にこだわりぬき、やさしい泡立ちになるように仕上げている

――旅する石鹸シリーズの商品の魅力についてご説明ください。
西垣:旅する石鹸は、原料にこだわっています。例えば「やぎミルク」は、京都のるり渓のやぎ園という牧場でとれた、新鮮なしぼりたてのミルクを使っていますし、「神戸の酒」は、260年の歴史を誇る「神戸酒心館」の大吟醸を使用しています。iPS細胞を開発した山中伸弥教授がノーベル賞の授賞式で乾杯したときのお酒と、同じ酒蔵なんですよ。

また普通、石鹸はヤシと牛の油で作られることが多いのですが、うちはそういった油は使っていません。「ラベンダー」でしたら、アーモンド油、マカデミアナッツ油といった、エステティックサロンで使われる美容オイルと同じ油を石鹸に使用しています。「こめぬか」は合鴨農法で取れる無農薬の米ぬかを使っていますが、これは旧DASH村で、TOKIOに合鴨農法を教えた農家から、無農薬のお米を購入して作っているんです。

どの石鹸も、それぞれ選び抜いた原料を使い、もっちりしたやさしい泡立ちになるように、こだわりを持って仕上げています。

――詳しくお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

【取材協力】
無添加石鹸本舗
http://www.mutenka-sekken.com/