日本には“贈答”の文化があります。例えば訪問時の手土産だったり、季節ごとのイベントで交わす贈り物だったり。そして、特別な記念日に何かを贈る際には、「ちょっぴり特別なデザインのパッケージを選びたい」なんて考える人も多いでしょう。今回ご紹介するのは、そんな贈答のシーンで人気を集める、お菓子のパッケージ。贈る世代やシーンを選ばず、万人受けする銀座菊廼舎の名物「冨貴寄」です。
かわいらしい花の形がモチーフになったこちらのパッケージは、各界著名人の御用達でもあるお菓子。多くの人に愛され、そして選ばれる秘密は、お菓子だけでなくパッケージにもありました。
パッケージ紹介
銀座菊廼舎の看板商品である「冨貴寄」とは、“富を集めるという意味の縁起のよいお菓子“だそう。「バターを使用しない和風のクッキー」「金平糖」「和三盆」「打ち物」などがギッシリ入った詰め合わせで、登録商標もされている商品です。同店が販売している「冨貴寄 ハート日和」は、カラフルで華やかな見た目のお菓子の数々がまるで宝石のよう。パッケージもそれに合わせて、ポップにつくられているのが特徴です。
お菓子の入った缶を包むのは、六角形の紙パッケージ。着物の帯のような風合いを漂わせる縦縞と横縞は、色鉛筆で描いたかのようなナチュラルな手描きの線。赤青黄などさまざまな色味の縞模様は目に楽しく、まさにポップな和モダンテイストといった印象です。
そして、特筆すべきは六角形の一面ずつを頂点に集めて、風呂敷のように結んでいる蓋の仕様。蓋は「花」がモチーフとなり、花びら一枚一枚が引っかかり合って蓋が閉じるようになっているのが斬新。きわめて珍しい形状のパッケージと言えるでしょう。
分析と個人的見解
蓋の部分に「花」をモチーフとして採用されているのが、なんともユニークなこのパッケージ。形状だけでなく、印刷方法にも遊び心が感じられます。よく見ると、花びら中央に描かれている金色の「雄しべ」の部分は、ツルツルとかつ立体的な「厚盛印刷」。これが、しっとりとした高級感を演出するのに一役買っているのが分かります。
このパッケージデザインを担当したのは、有名イラストレーター・おおたうに氏。女性誌やカルチャー誌などに多くの作品を発表しており、そのイラストは繊細なタッチと淡い色使いが大きな特徴です。このパッケージデザインからも、その柔らかなテイストが息づいているのが伝わってきます。古き良き和、そして、若い世代でもつい手に取りたくなるような新しい和。そんな、新たな扉を開く素敵なパッケージではないでしょうか。
この洗練されたパッケージデザインには、Instagramでも多くの投稿が上がっています。
「パッケージがめちゃかわいい」（@arconuistagramさん）
「これ大人女子絶対喜ぶなぁと確信
おみやげやプレゼントに使おうっと」」（@kumako36さん）「和と洋のコラボ、美味しい
パッケージも素敵」」（@go_16yoiさん）「お土産に、【富貴寄 ハート日和】と言う可愛いお菓子を頂きました
いつも思うのだが、この箱の上の部分の花弁を、引っ掛ける箱はなんと言うのだろうか？
日本だけの箱の形態？
これを最初に考えた人は すご〜い」（@takasi728さん）「なんとも可愛らしい干菓子たち。蓋を開けたときには笑みが溢れました。愛情が詰まったお土産。パッケージも可愛らしい」（@yamanakatatsuakiさん）
「#銀座菊廼舎 さんの #富貴寄 さすがのビジュアルでした、味も好きな感じ。」（@denaoshikoさん）
1890年創業という店の歴史と伝統のイメージを守りながらも、斬新なスタイルで新たなファン層を獲得しているパッケージデザイン。真に優秀なパッケージとは、このようなものだと言う気がします。その真価を、ぜひ一度お手に取って確かめてみてはいかがでしょうか
＜銀座菊廼舎「冨貴寄 ハート日和」商品ページ＞