手に取った人を食べる前から楽しませてくれるパッケージデザインアイディア

ブランドを高めるデザイン
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全国各地には、さまざまな特産・名産品があります。旅行・出張などで訪れた際には、その土地のものを食べたい、あるいはお土産に持ち帰りたいと考えることでしょう。しかし山ほど種類のある品々の中では、何を選ぼうか迷ってしまうかもしれません。そんなとき、パッケージデザインは1つの判断材料になります。可愛らしい、あるいは斬新なパッケージの商品は、つい手に取ってしまうはずです。
今回ご紹介する『山形ジェラート』は、まるで中身の美味しさが伝わってくるかのようなパッケージデザイン。自分用からお土産・プレゼントまで、広く好評を得ているようです。

パッケージデザインのご紹介

『山形ジェラート』は、その名の通り冷たくて美味しいジェラート。パッケージの形状は、カップアイスの定番とも言える円柱型です。

パッケージカラーは紺色となっており、側部には『山形ジェラート』と商品名が大きく白文字で書かれています。よく見ると細かく星のようなイラストが散りばめられていて、それとなく可愛らしさのあるデザインです。

特にデザインへこだわっているのが蓋の部分。側部と同じく商品名が大きく書かれていますが、背景に真っ白い山のイラストが描かれています。山の下と上には星が。中でも上部分には、流れ星のようなイラストがあります。
また、蓋には味わいに応じて、その味を表現する食べ物のイラストも。例えばスイカやすもも、つや姫(お米)、秘伝豆など。何の味なのかについても言葉で書かれており、ひと目でどのような味なのか分かります。

このパッケージデザインに関する個人的見解

アイスは冷凍庫内で販売されるため、商品を選ぶ際には上から見ることが多いでしょう。だからこそ、本製品は蓋部分のイラストにこだわっているのではないでしょうか。商品名はもちろん、味わいまですぐに分かるため、選ぶのに迷うことはなさそうです。

蓋に描かれた白い山のイラストは、恐らく雪の積もった山脈を表しているのではないでしょうか。山形は冬になるとたくさんの雪が降り積もりますので、そうした自然環境を表現しているのように思えます。そして星のイラストは、もしかしたら雪の結晶も同時に表現しているのかもしれません。どこか幻想的で、かつ涼しさの感じられるパッケージデザイン。年齢・性別を問わず好まれるのではないでしょうか。実際、ソーシャルメディアでも、本製品について次のような投稿が寄せられています。

「Pintrestでよく見かけるパッケージ、見つけたので食べましたァ~!! うまいしまずかわいい、、? #山形ジェラート #ラムレーズン」(@zawashi_0826さん)
「山形ジェラート…無駄にかわいくないか??」(@someday160cmさん)
「山形ジェラートこれめちゃかわなんですけど」(@Chocobo_mikkeさん)
「パッケージ買いしちゃいました。バニラのジェラートの中に米の食感があって不思議な味わい。:」 #山形ジェラート」(@uta_io_aoさん)

美味しさに関する投稿と合わせ、やはりパッケージの可愛さが皆さんの目を引くようです。

本製品は小売りからセット販売まで行われており、プレゼントとしても人気を集めています。山形土産で受け取ったら、パッケージを眺めながら「どの味にしようかな」と毎日のように迷ってしまいそう。アイスと言えば暑い夏のイメージですが、このパッケージデザインは雪山が描かれているなど、冬場でも親しまれるのではないでしょうか。

なお、『山形ジェラート秘伝豆』は第3回JAグループ6次産業化商品コンテストにおいて、とっておきスイーツ・お菓子部門の準優秀賞を受賞。そのほか、製造・販売元である山形食品株式会社は、本製品に限らずさまざまな受賞歴を持ちます。製品そのものへの評価はもちろんですが、やはりその背景には、同社のパッケージデザインに対するこだわりがあるのではないでしょうか。山形という地、そして素材を上手く表現することで、手に取った人を食べる前から楽しませてくれる、そんなデザインだと感じます。

<URL>
http://www.ym-foods.co.jp/goods/yamagata-gelato/index.html

このパッケージデザインから学べること

今回ご紹介したパッケージデザインでは、商品に新たに価値を付加しているパッケージを学ぶことができます。

ジェラート・アイス自体は、山形だけでなく、世界中どこでもいろいろな味が楽しめるものです。

そこにパッケージで山形の自然を表現し、年齢・性別を問わず好まれる可愛いデザインとすることで、ご当地グルメやお土産としての価値を加えています。

そして、統一したデザインの中で、素材ごとの美味しさをひと目でわかるように表現することにより、お客様の「選ぶ」楽しみと喜びを付加しています。

あなたの担当する商品でも、パッケージにより新たな価値を付加するデザインを考えてみてはいかがでしょうか。商品自体で差別化が難しいとき、パッケージによるブランディングが商品力の鍵になります。