新しい食べ方を提案するパッケージデザインアイディア

かわいいデザイン
Pocket

旅行や出張といえば、親しい相手にお土産を選ぶのも楽しみの1つ。今や全国各地に、新旧さまざまなお土産があります。お店にズラリとならんだ品々、「これを買おう」と購買意欲を引き出すには、見た目のデザインがとても重要です。
しかし一方で、やはり“ハズレ”のない定番土産も気になるところ。今回ご紹介する『ウイロバー』は、名古屋土産の定番でありながら、見た目のデザインに遊び心のある“ういろ”。過去にういろを食べたことのある方も、その印象がガラリと変わるかもしれません。

パッケージデザインの紹介

箱の中には5つの味が楽しめる“ういろ”。商品は横並びに詰められており、箱には縦長の穴が開けられています。この穴からカラフルな中身がチラリと顔を覗かせ、下部分には白い四角形。そこに『さくら』『くろ』『しろ』『ないろ』『まっちゃ』と、それぞれの味がひらがなで書かれています。

<写真URL>
http://macaro-ni.jp/42463
https://ippin.gnavi.co.jp/article-9757/
メーカー
http://www.osu-uiro.co.jp/

さらにその上には『ウイロバー』という製品名が。文字数と中身の数が合っているので、バランスの良い配置です。また、箱の上下には白色でギザギザの模様が描かれています。箱のデザインはいたってシンプル。

そして箱を開けると、中から5本のアイスキャンディーのような『ウイロバー』が出てきます。そして蓋の内側には、『ウイロバー』の提案する“ウイロスタイル”について解説が添えられています。

このパッケージデザインに関する個人的見解

ういろと言えば、誰もが知る名古屋土産の定番。伝統的な和菓子です。パッケージは和風で趣があり、落ち着いたものという印象をお持ちの方が多いでしょう。どちらかと言えば、子どもより大人向けのお土産と思われるかもしれません。

しかしこのパッケージは、そうしたういろへのイメージを良い意味で壊してくれるのではないでしょうか。シンプルながら可愛らしさのあるデザイン。ひと目では、その中身がういろだと気付かないかもしれません。そのため、女性や子どもにも喜ばれる商品として認識される気がします。実際にお土産として『ウイロバー』を受け取った方からは、SNSで次のような投稿が寄せられていました。

「頂いたウイロバーめっちゃかわいい」(@21oetさん)
「お土産に頂いたういろ、おしゃれでビックリした!ウイロバーですと」(@yuri_rin1121さん)
「ウイロバーっていう、ういろのおみやげもらった。可愛い。」(@yabuzukinさん)
「お土産でもらったウイロバー、パッケージがとてもとても可愛いので共有したい。名古屋土産!」(@shirrrro253さん)

中にはパッケージの可愛さから、自分用に買って帰るという方も少なくないようです。

「名古屋のおみやげウイロバー見た目の可愛さと、このぐらいが丁度イイので買っちゃいました♪」(@yh1971561さん)
「名古屋で買った、ウイロバーがね 可愛くて美味しかったよ! おみやげにいいと思う!笑」(@ab84102cz)

『ウイロバー』はパッケージによって、定番化したイメージに“新しさ”を取り戻させたと言えるでしょう。土産店で『ウイロバー』が並んでいたら、ついつい手に取ってしまうのではないでしょうか。蓋の裏側には、次のようなメッセージが書かれています。

「ういろは米粉で作られた蒸し菓子で、そのういろに小豆(こし餡)を練り込んだ蒸し菓子がないろです。ウイロバーは、より手軽に、より食べやす、そしてより米粉の風味を大切に。こだわりの食感を楽しめる新しいウイロスタイルです。」

もしかしたら、ういろは名古屋土産として、少しずつ衰退の影が見えていたのかもしれません。しかし『ウイロバー』は新しい“ウイロスタイル”を提唱し、それをパッケージから変えることで、若い世代まで含めた身近なお土産・和菓子として、息を吹き返そうと考えて作られたのではないでしょうか。昔からある和菓子ながら、『ウイロバー』は新しい名古屋のお土産として、これから定着していくかもしれません。

このパッケージデザインから学べること

今回ご紹介したパッケージデザインから、「新しい食べ方を提案するパッケージ」を学ぶことができます。

上述したように、ウイロバーは新しい「ウイロスタイル」を提唱しています。5本入りですので、5人の友達とシェアして食べることもできますし、アイスキャンディーのように、歩きながら食べることもできます。

中身は今までと同じウイロですが、パッケージをちょっと工夫しただけで、新しい食べ方を提案することに成功しています。

ポイントは、2つあります。

1つは、アイスキャンディのような包装をしていること。これにより、シェアや歩きながら食べるといったシーンが付加されます。

もう1つは、そのシーンに合わせた紙器パッケージのデザインです。淡い色でデザインを統一し、若者を意識したデザインとなっているように思います。

ソーシャルメディアでも「可愛い」、「ちょうどイイので買ってしまった」というような投稿があるのも納得できるパッケージデザインです。

あなたの商品でも、新しい食べ方を提案するパッケージを考えてみてはいかがでしょうか?そこから、新しい商品の価値が生まれ、新しいターゲット・顧客層にアプローチできる商品力が生まれると思います。

<写真URL>
http://macaro-ni.jp/42463
https://ippin.gnavi.co.jp/article-9757/
メーカー
http://www.osu-uiro.co.jp/