青春のような甘酸っぱさが口いっぱいに広がる レモン色のお椀を目印としたパッケージデザイン

和風デザイン
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お箸で食べたくなる、そんなグミを見たことがあるでしょうか。

「うどん県」としておなじみの香川県では、名物の讃岐うどんをモチーフにしたお菓子が誕生しました。つるつるもちもち食感がおいしい、讃岐うどん。その噛みごたえを楽しめる『讃岐うどん風グミ』は、いりこ(煮干し)やかつお節といった出汁の香りではなく、爽やかなレモンの香りが広がります。
また、1本あたりのグミの長さは、なんと10.5cm。本物のうどんを忠実に再現しようと、見た目にかなりこだわっています。とはいえ中央には切れ目があり、子どもからお年寄りまで安心して食べられるのも魅力です。おやつとしても、お土産としても喜ばれる、そんな株式会社松浦唐立軒の『讃岐うどん風グミ』をご紹介します。

パッケージ紹介


『讃岐うどん風グミ』のパッケージは、お菓子らしく可愛い仕上がりとなっています。箱の上部中央に描かれた、レモン色のお椀。そこには、うどんの麺を連想させる白線がいくつも引かれています。さらに、パッケージのところどころに取り入れられた水色が、さわやかなイメージをより引き立たせているのでしょう。

箱を開けてみると、中には本品のほかに作り手からのメッセージが添えられています。どのような食べ方をすればよいのかだけではなく、讃岐うどんにまつわるエピソード付き。最後まで読んだら、うどん県のことをもっと知りたくなるかもしれません。

分析と個人的見解

一見するとお菓子には見えないようなパッケージデザイン。“グミ”という表記を見逃すと、中には「うどん?」と間違ってしまう方がいるかもしれません。シンプルながら可愛らしさのあるデザインは、誰にとっても親しみやすいのではないでしょうか。Twitterでも、以下のようにパッケージデザインについて色んなコメントが寄せられています。

「うどんの形をしたグミは、ほんのり甘いレモン風味先日、うどん県である香川県に行った時に見つけ、パッケージがとっても可愛くって、ついつい買っちゃったお菓子」(@happy_saaya0614さん)

「空港で売られてたうどん風グミ買ったんだけどすごい! まずパッケージが可愛いし、中のグミが見た目とてもうどんだった…食感は結構ハードで爽やかなレモン味 噛み切れるように切れ目が入れてあるところも親切で素敵◉」(@ha0n0_641さん)

「パッケージに惹かれて買った香川のグミ。左のうどん風グミは見た目がかなりうどん。歯ごたえのあるグミだった。」(@calokumaさん)

また、『讃岐うどん風グミ』には、シンガーソングライターのみゆはんさんとのコラボ商品もあります。みゆはんさんは人気ボーカルグループ『GReeeeN』と同じ事務所に所属しており、Nintendo Switchソフト『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』のテーマ曲を手がけている方。ご自身も香川県出身ということで、2018年8月1日からは期間限定コラボ商品『讃岐うどん風グミ みゆはんver』が発売開始されました。そんなみゆはんさんの公式サイトを見てみると、商品について次のようなコメントが書かれています。

「うどんグミって斬新やな~コシが強ぇや」
(みゆはん公式サイト https://mewhan.com/information/eevee

こちらのパッケージの側面には、可愛らしい猫のイラスト。本人自らがデザインした公式ロゴマークであり、実家で飼っている猫の「まうくん」がモチーフになっているとのことです。
今回、みゆはんさんがなぜ『讃岐うどん風グミ』とコラボしたのかについて、出身地以外の明確な理由は見当たりませんでした。ただ、もしかするとメーカーである株式会社松浦唐立軒は、彼女の人柄を評価してコラボを提案したのかもしれません。

また、株式会社松浦唐立軒は、かがわ物産館「栗林庵」のオンラインショップで次のように思いを綴っています。

「(株) 松浦唐立軒は、大正13年1月に菓子製造・卸売業を創業して以来、消費者の皆様に喜ばれる『お菓子』=『夢』をお届けするため改革と創造に力を尽くしてきました。『おいしさ』と『楽しさ』を通して、みなさまに潤いある心豊かな食文化を提供する未来創造夢企業です」。
(かがわ物産館「栗林庵」のオンラインショップ https://www.ritsurinan.jp/shop/products/details/products/category/261)

商品そのものはもちろん、まさに人の目を引く創造的なパッケージデザイン。“うどん×グミ”という新しい組み合わせを、広く多くの方々へ届けるのに一役買っています。

 

このパッケージデザインから学べること

旅行のお土産の定番といえば、ご当地を感じることができるお菓子。よりご当地を感じてもらうためには、お菓子本体以外にパッケージの役割も重要です。この「うどん風グミ」では、お菓子をアピールするのではなく、ご当地の本物の「うどん」を強くイメージしてもらうため、伝えることを絞ったシンプルなデザインとしています。お土産なので、ご当地を実感してもらうことが一番大事で、お菓子としての役割は2番手。この表現の優先順位付けをすることで、お菓子ではなく「うどん」を強く伝えられています。皆様も、伝えることをシンプルに強くイメージできるデザインを、ぜひ心がけてみてください。