旅行・出張のお土産や、取引先への手土産など。お店には選べないほどの名産品などが並びますが、お菓子は土産品の代表格と言えるでしょう。しかし大切な相手であるほど、例えば歴史ある老舗銘菓など気を遣うもの。とはいえ受け取り手に喜んでもらううえで、味はもちろんのこと、パッケージの見た目にもこだわりたいものです。
広島県の藤い屋は大正14年に創業され、もみじまんじゅうを中心として銘菓の老舗。今回ご紹介するのは、そんな藤い屋の『淡雪花』です。
パッケージ紹介
パッケージの写真はこちら
(藤い屋公式サイト)
『淡雪花』は真っ白な化粧箱に包まれています。この化粧箱には、キラキラと輝く銀色で、さまざまな形の雪の結晶が。さらに同様の銀色で、『淡雪花』の名と「藤い屋」という店名も添えられています。4個入り、8個入りと種類がありますが、パッケージのデザインはいずれも変わりません。側部や背面にはデザインが施されておらず、とてもシンプルなパッケージデザインです。
分析と個人的見解
真っ白い化粧箱は、まるで雪原を思わせるかのよう。飾り気がないからかこそ、銀色に輝く雪の結晶が引き立っているようです。それはとても美しく、高級感も感じられます。可愛らしさがありながら、しかし美しくもある。受け取り手によって、その印象は違ってくるかもしれません。実際にSNSでは、『淡雪花』のパッケージについてさまざまなコメントが寄せられていました。
「広島・宮島の紅葉まんじゅうの老舗、藤い屋さんのお菓子『淡雪花』(あわせっか) シャリッとした雪化粧をまとったマシュマロのようなふんわり皮に酸味のあるレモン寒天がサンドされてる。化粧箱が美しい。」(@47kei さん)
「広島行った時に絶対買いたかったお菓子『淡雪花』。パッケージ通り、シャリっ、ふわっ、ぷるんだった!!シャリシャリ感と、ギモーヴのフワフワ感、間に挟まったレモンのゼリー…ふぁ?幸せな味だ、めっちゃ美味しいよ?(*´ω`*) パッケージも可愛い!!」(@yue288 さん)
「焼きモンブランはあー、うん。でしたが淡雪花は面白い!緑茶と一緒に食べたい。見た目も箱もかわいいー ヾ(●′?’)ノ゙」(@riwahuwari さん)
「最近のお菓子はパッケージもおしゃれ。広島のお土産。『淡雪花』あわせつか。コーヒーと、ジョアン・ジルベルトを聴きながら。」(@maruhikaru さん)
『淡雪花』はお菓子そのものも雪をまとったような見た目。パッケージデザインは、その印象をそのまま伝えていると言えるでしょう。純白のお菓子を包む、純白の化粧箱。お菓子はパッケージから中身をイメージしがちですが、まさにその期待を裏切らないパッケージと中身の組み合わせです。
また、公式サイトには『淡雪花』について、次のようなメッセージが見られました。
「しゃり、意外な食感からはじまります。 ぷるん、爽やかな果実の香りが広がります。 レモン羹には広島産大長レモンの果汁を、それをはさむふわっとしたギモーヴ(※)には果汁と果皮を使用しました。 淡雪に、雪片を花にたとえていう雪花という言葉を重ね合わせて「淡雪花(あわせつか)」と名付けました。 和や洋を超えた、新しいお菓子の誕生です。 ※ギモーヴとは、フルーツピューレにゼラチンを加え、泡立ててかためたお菓子です。」
(藤い屋公式サイトより)
淡雪と雪花のイメージはお菓子のみならず、パッケージデザインにも反映されています。また、お菓子の爽やかさも同様に、印象としてパッケージの見た目からも感じ取れるのではないでしょうか。老舗としての歴史を保ちながら、新たな境地として作られた『淡雪花』。まさにその名と味わいを表現したパッケージデザインと言えそうです。
このパッケージデザインから学べること
老舗の高級感を感じさせる、上品なデザインについて、このデザインから学べるポイントは、
①無彩色(白)中心であること。
②要素を詰め込まず空間(白)を利用していること。
③明朝体・行書体の使用。
の3点でしょうか。デザインの際には、要素を詰め込み過ぎや、ロゴや写真を大きくアピールできるように配置するなど、どうしてもごちゃごちゃした構成になりがちです。思い切って伝えたいことを絞り込み、シンプルに伝えることで、高級感のある上品なデザインにぜひ挑戦してみてください。