チョコレートやクッキー、ケーキなど。洋菓子には実にさまざまな味のものがあります。どんな味なのか想像する際には、やはりパッケージからイメージを膨らませる方が多いのではないでしょうか。今回ご紹介するフランセの『果実を楽しむミルフィユ』は、いちご、れもん、ピスタチオ、ジャンドゥーヤという4種類が。それぞれ、その中身を上手く表現したパッケージが話題を呼んでいます。
パッケージ紹介
パッケージの写真はこちら
(フランセ公式サイト)
いちごは赤色、レモンは黄色、ピスタチオは緑色、そしてジャンドゥーヤは茶色。それぞれ味わいを象徴するカラーが用いられ、箱は色鮮やかなデザインです。イラストはレモンをはじめ、ひと目で何の味なのかが分かるでしょう。さらによく見れば、人や動物のイラストも混じっています。
さらに箱を開けると、商品がそれぞれ箱と同じイラストがあしらわれた個包装になっています。箱は中央部、個包装は下部に「FRANCAIS Mille-feuille」の文字。こちらは白を背景に、特徴的な文体で書かれています。
なお、『果実を楽しむミルフィユ』は4つ全ての味が入った詰め合わせも。こちらは個包装こそ同様ながら、外箱のデザインは全商品をミックスしたデザインとなっています。色鮮やかに描かれた4つそれぞれの味を表現するイラストに加え、背景にはピンクと水色も用いられ、とてもカラフルなパッケージです。
分析と個人的見解
まず鮮やかなカラーが目を引く『果実を楽しむミルフィユ』のパッケージ。そして手に取れば、すぐに味を連想させてくれるでしょう。どことなく不思議なイラストですが、それが見る人の興味を引き付けるように感じます。可愛らしさの中に、ちょっと大人な雰囲気、あるいは異国感のようなものが漂うデザイン。実際、SNSでは本製品のパッケージについて、以下のような投稿が多数寄せられていました。
「これパッケージめちゃくちゃ可愛くないですか😳✨✨ 「果実をたのしむミルフィユ れもん」です。中身も可愛い😆💕チョココーティングなので、冷やしてたべたら美味しかった😋味は他にいちご、ピスタチオ、ジャンドゥーヤがあるそうです。」(@08_yoneko さん)
「本日のおやつ! パッケージもかわいいし、おいしい~。 横濱フランセ、ミルフィユ(果実をたのしむミルフィユ)」(@_KAKUTORU_さん)
パッケージデザインに対しては、“可愛い”という印象を持つ方が多いようです。自分用のおやつはもちろんのこと、プレゼントにも最適なのではないでしょうか。では、このデザインの発想はどこからきているのか。公式ホームページを見ると、その原点が伺えるメッセージが記載されていました。
「果物や木の実をパイなどの生地にはさんで楽しむ。それがお菓子の原点と言われています。ミルフィユもまた、パイ生地にカスタードクリームと果実をはさみ、表面に粉砂糖がまぶされたものが基本とされています。フランセはそうした、お菓子とミルフィユの原点に立ち返り、“果実”を楽しむ洋菓子ブランドとして、永く愛されるブランドを目指します。」(フランセ公式サイトより )
特に注目したいのが、“楽しむ”という言葉。ただ美味しいだけでなく、パッケージを目にした瞬間から心が踊り、楽しさがこみ上げるようなパッケージが目指されていると言えそうです。それは、ただカラフルで色鮮やかだというだけではないでしょう。よく見れば控えめに描かれている人や動物のイラストも、笑顔でこちらを見ているかのように思えます。もしかしたらこのイラストも、美味しい果実を食べて笑顔になった姿なのかもしれません。
このパッケージデザインから学べること
お客様に瞬時にその商品の魅力を伝えて選択していただくにあたり、パッケージのデザインの役割はとても重要です。
① 鮮やかな色使いと中身の味を瞬時に想像できるイラストにより目を惹きつけること。
② ブランド認知している人にはそのイラストを見ただけで「フランセ」のブランド商品だとわかること。
③ ブランド認知していない人を惹きつけることができる印象的なデザインであること。
世の中は店頭販売からネット通販に変化しており、「リアルな世界で発生していた偶然の出会いによる購買」から「Web検索での必然の出会いでの購買」に変化している中で、ブランド認知による信頼の重要性は向上していきます。初めての人を惹きつけるパッケージデザインと、一度惹きつけた人を離さない商品力、関連購買や再購買を促すパッケージデザイン、この繰り返しのサイクルにより、ブランドロイヤリティを向上させることができます。このサイクルはパッケージデザインからはじまるのです。その重要性を認識いただきブランドロイヤリティを向上させるデザインを目指してみてください。