パッケージデザインで一貫性のある商品戦略を表現!こだわりがとても伝わるデザインアイディア

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性別・年齢を問わず親しまれ、まさにお菓子の代表とも言えるチョコレート。板チョコや粒チョコ、あるいはチョコレートコーティングされたクッキー・ビスケットなど、その種類は実に多彩です。味わいも商品それぞれに異なり、ストロベリーや抹茶などの味が加わったものもたくさん。だからこそお店でチョコレートを選ぶ際、「今日はどれにしようかな」と悩んでしまう方は多いでしょう。むしろその選ぶ時間すら楽しみの1つなのかもしれません。

お店の棚にずらりと並んだチョコレート。味はもちろん、目を引くパッケージはつい手に取ってしまうものです。商品名やロゴを前面に出したものから、味わいをイラストや写真で表現したものなど。今回ご紹介する『meiji THE Chocolate』は、まさにジャケ買いしたくなるチョコレートではないでしょうか。

パッケージデザインの紹介

味わいによって4つの種類に分かれる『meiji THE Chocolate』。コンフォートビターとエレガントビターが国際味覚審査機構(iTQi)2016で『優秀味覚賞(Superior Taste Award)』を受賞したほか、エレガントビターはチョコレートの品評会・International Chocolate Award2016で『アメリカ&アジアパシフィックブロンズ賞』を受賞しました。

それほど味にこだわった明治の新商品ですが、パッケージデザインも斬新。いずれもパッケージは同様にカカオ豆が描かれ、その色と模様が種類ごとに異なっています。それぞれの違いと特徴を見てみましょう。

パッケージデザインは下記のサイトを御覧ください。
『meiji THE Chocolate』公式サイト
明治「The Chocolate(ザ・チョコレート)」4種

<コンフォートビター>
青を基調としたデザイン。シルバーとの組み合わせが印象的で、カカオ豆の中にいくつもの三角形と四角形が生み出されています。

<ヴェルヴェットミルク>
カラーは赤。逆三角形が連なるようなイラストが施されています。

<エレガントビター>
オレンジカラー。フルーティーな味わいということで、描かれた模様は輪切りのフルーツのようにも、あるいは美しく咲いた花のようにも見えます。

<サニーミルク>
紫をバックカラーとして、シルバーの小さな丸が組み合わさって幾何学的な模様が描かれています。

いずれもパッケージ全体はコルクのようなデザインとなっており、一見すると強く感じられる各カカオ豆のイラストも、どこか落ち着いた気品が感じられるパッケージ。尚、本製品は3パッケージが入っており、製品を包む中身のパッケージもまたデザインにこだわりがあるようです。

このパッケージデザインに関する個人的見解

デザインと味との一体感。これがなくては、「デザイン負けだな」などと買い手をガッカリさせてしまうかもしれません。しかし『meiji THE Chocolate』は、中身にもこだわり抜いた製品。SNSではパッケージについて高く評価する声が多く見られますが、同時に、どの投稿でも味にまで触れられており、その一体感に優れた製品であることが分かります。少し、実際に投稿された声を見てみましょう。

「meijiのthe chocolate、パッケージに惹かれて買ったけど味もとても美味しかった」(@nskorokoro)
「チョコレートすきなわたし的にはパッケージ負けしない中味かなとおもいました」(@YuRa_galaxxxy)
「おしゃれなパッケージだなって思っていたmeiji THE Chocolate遂に買ってみたけど中身も芸術だった」(@hitomiyunmyun)

まずは第一印象として、やはりパッケージに惹かれたという方が多い様子。他に類を見ない斬新なデザインは、購買意欲を引き立ててくれるようです。同じイラストでありながらデザインの異なる4種類。中には試しにと、全種類を揃えた方もいるのではないでしょうか。

そのうえで、実際のチョコレートの味わいは、パッケージから抱いた期待値に十分応えてくれるもののようです。パッケージから目で楽しみ、中身を開けて味を楽しむ。明治のこだわりを込めたチョコレートを、このパッケージはしっかり表現してくれていると言えそうです。

このパッケージデザインから学べること

SNSの投稿では、パッケージデザインに惹かれて購入し、そのまま中身にも惚れるという意見が多いです。これは、パッケージデザインも含めた商品戦略の一貫性がもたらす効果ではないかと考えます。

その仕組みを1つ1つ紐解いてみましょう。

まず、商品そのものです。下記のブログを確認すると、このチョコレートは板チョコですが、今までの板チョコの形を根底から覆す形をしています。

明治「The Chocolate(ザ・チョコレート)」4種

どうやら、チョコレートは厚みや形状によって、カカオの香りの広がり方が違うようです。コンフォートビターからサニーミルクまで、4種類のラインナップがありますが、それぞれ、カカオの含有量などが異なっており、その含有量に合わせて形や厚みを工夫しているようです。

次に、食べ方・味わい方の提案があります。下記のサイトでは、「五感で味わうテイスティング方法」が動画で公開されています。

「五感で味わうテイスティング方法」動画

つまり、こういう風に食べることで、チョコレート最大限に美味しく食べることができるというわけですね。国際的な賞を受賞するのも納得ですね!

「味にこだわり、その味を最大限に生かす食べ方にこだわる」という、一貫性のある商品戦略といえます。

さらにそのこだわりを貫いているのがパッケージデザインです。4種類あるラインナップの違いをデザインだけでなく、数値とコピーライティングで表現しています。

コンフォートビターは「力強い、深み。」
ヴェルヴェットミルクは「濃密な、深みと旨味。」
エレガントビターは「華やかな、果実味。」
サニーミルクは「優しく、香る。」

パッケージのデザインやコピーから、食べ方、そして板チョコの形・厚み、そして味まで、まさに一貫性のある戦略と言えます。

あなたの商品も、パッケージデザインから味まで、一貫性のある仕掛けを考案してみてはいかがでしょうか?