商品のブランドイメージを高めるパッケージデザインアイディア

ブランドを高めるデザイン
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出張や旅行などで遠方を訪れると、家族や友人、あるいは職場の同僚などへお土産を購入する機会があるはず。全国各地には有名な土産品が数多くあり、「新商品を選ぶ」「定番商品を選ぶ」など、購入時もつい迷ってしまいます。特にお土産の定番といえば菓子類。複数人でも分けられますし、広く喜ばれるお土産と言えるでしょう。

しかしお土産は美味しさだけでなく、見た目にも気を配りたいもの。見た目が面白い、斬新、あるいは可愛らしいなど特徴があると、それだけで話題が生まれ喜ばれます。

回ご紹介する六花亭の『十勝日誌』は、北海道を訪れたのならばぜひ選択肢として考えたいお土産の1つ。中身はもちろん、そのパッケージデザインも評判です。

パッケージデザインの紹介

北海道は美味しいものが多く、六花亭は『マルセイバターサンド』に代表される、いくつもの定番土産品を販売しています。六花亭の商品だけでも、ついつい「何をお土産にしようか」と迷ってしまうほどの豊富な品揃え。

そんなとき、『十勝日誌』はピッタリの商品でしょう。22個・30個・38個・45個と、それぞれ六花亭のお菓子が複数種詰め合わせになっています。

四角い箱は、その大きさが中身の個数によって異なります。ただし、いずれもパッケージデザインは同様です。まず包み紙には、白地に色鮮やかな草花のイラストが。これを『六花亭』と書かれた緑色のリボンで括っています。

この包み紙を開けると、本体である箱が。緑色の表紙に、『十勝日誌』と書かれた紙が貼付されており、その見た目はまるで書籍のような風合いです。

パッケージの写真
それもそのはず。六花亭の公式ページを見てみると、『十勝日誌』について次のような説明書きがありました。

「伊勢の人、松浦武四郎は北海道内陸を探検して初めて詳細な蝦夷地誌や地図を著し、紀行文23冊を編纂しました。十勝日誌はその一巻、安政5年(1858年)頃の十勝のようすが記されています。六花亭の「十勝日誌」は原本から表紙等を複製し、焼菓子からチョコレート菓子まで私どもの代表的銘菓の詰め合わせです。」

六花亭公式サイトより抜粋 )

このように『十勝日誌』のパッケージは、実際の紀行文を模したデザインになっているようです。実際に箱の蓋を開けると、そこには複製された表紙デザインが施されています。

このパッケージデザインに関する個人的見解

北海道内陸における紀行文をモチーフにデザインされた『十勝日誌』。ただ美味しいお菓子を提供するだけでなく、そこには北海道の歴史にも触れて欲しいといった思いがあるのではないでしょうか。

表紙・デザインはもちろん、形状も書籍のような『十勝日誌』は、その背景を知ることで紀行文の中身にも興味が湧いてくる気がします。そのデザインには、SNSでもさまざまな意見が挙がっていました。

「十勝日誌は中身も美味しいし、箱も可愛いので本当にお勧めですよ~(*´ω`*)」(@sakuya_amaneさん)
「十勝日誌は六花亭のお菓子を色々食べれるので好き。どれも好きだけど、私は真っ先に大平原(マドレーヌ)食べますね。同僚はチョコマロンが好物で、会社で貰うと真っ先にチョコマロンを奪って行きます。パッケージも面白いと思う。」(@miyajima_toukenさん)
「あと六花亭お菓子詰め合わせの『十勝日誌』の本型パッケージが可愛くて好きなんだけど、誰かわかってくれませんかーーーーー!!!?」(@ruikonokoさん)
「知り合いの方からもらった、六花亭のお菓子の詰め合わせ、「十勝日誌」。久々に?お菓子で感動しました!パッケージから、箱から、しおりから、もちろん中身も。素晴らしい!」(@charocat)

さらに程よい大きさの箱は、中身を食べ終えてからも他用途に活用されている方が多いようです。小物入れや薬箱、中には箱の中にジオラマを作るなど、いろんな画像がSNSにも投稿されています。

過去に買った、あるいはもらったことのある方でなければ、箱のデザインからひと目で「お菓子の箱」とは分からないでしょう。棚などに置かれていても、違和感はありません。

食べて、見て楽しめる、北海道のお土産『十勝日誌』。バラエティ豊かな詰め合わせは、受け取り手を選ばず広く喜ばれることでしょう。少し調べておいて、背景となっている紀行文についても土産話として話せると、さらに話題性が高まるかもしれません。

このパッケージデザインから学べること

今回ご紹介したパッケージアイディアから、「商品のブランドイメージの向上方法」を学ぶことができます。

「十勝日誌」は、松浦武四郎が1858年に北海道内を旅し、その様子を記した日誌です。150年以上も前の歴史ある日誌ですが、これをパッケージデザインに活用した意味というのは、ブランド力を高める上で、非常に良い相乗効果がある様に思えます。

その理由は、六花亭の歴史との連動があるからです。

六花亭は会社概要を見てみると、1933年創業とあります。つまり、六花亭も100年以上の歴史があるのです。これだけの歴史ある企業が作るお菓子ですから、長年お客様に認められてきたという品質やこだわりはとてもレベルが高いものであると容易に想像できます。

このように歴史ある六花亭が、十勝日誌をパッケージに採用することで、十勝日誌のように歴史・伝統ある企業・商品であることをデザインで伝えることができます。

その結果、ブランドイメージの向上にもつながっていると考えられます。

ブランドイメージを高めるために、高級感のあるデザインを考えるのもよいですが、十勝日誌のように歴史的価値のあるものと連動させて、高級感や品質を伝えるというのもアイディアの1つだと思います。

あなたの商品でも、品質やこだわりを伝える方法を考えてみてはいかがでしょうか?