見ればワクワクが止まらない!アイコニックなパッケージデザイン

かわいいデザイン
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岡山名物といえば「きびだんご」。
かの有名な昔話「桃太郎」にも登場する食べ物です。「♪桃太郎さん 桃太郎さん お腰につけた きびだんご 一つわたしに くださいな……」の歌詞にもある通り、桃太郎は鬼ヶ島へ鬼退治に行く道すがら、動物たちにきびだんごを与えて家来にします。一体、どんな味のお団子なのか。「食べてみたいな」などと、幼い胸を想像で膨らませた人も多いのではないでしょうか。
1856年創業の元祖きびだんごメーカーである廣榮堂武田が製造するのは、桃太郎のイラストが特徴的なきびだんご。手にした瞬間にワクワクが止まらない、そのパッケージデザインをご紹介します。





パッケージ紹介



廣榮堂武田のきびだんごの味は3種類。パッケージ(9個入)はプレーンがピンク、きなこが茶色、みるくが白です。プリントされているイラストはどれも同じで、一見すると何の変哲もない桃太郎がどんと中央に配されています。「目立たせる」ことが重要なパッケージデザインにおいては、ややシンプルな印象を受けるかもしれません。しかし実は、この確固たるシンプルさこそが、このパッケージデザインの鍵なのです。

イラストを手掛けたのは、世界的に活躍するイラストレーターNoritake氏。そのイラストの代名詞ともいえる「太くてやさしい線」「温かみあるタッチ」は、いずれも緻密な計算のうえ丹念に描かれているもの。この桃太郎のイラストも、そうして生みだされたものなのでしょう。モノクロながらも圧倒的な存在感を放っています。

箱の中で個包装になっている「個装きびだんご」には、一つひとつの袋に猿、犬、キジなど物語にゆかりのあるキャラクターが。鬼退治に向かう桃太郎が、動物たちに一粒ずつ配ったという物語の筋とリンクするようでユニークです。





分析と個人的見解

同店のきびだんごには「9個入」だけでなく15個、24個、30個入りがあり、きびだんごの個数によってパッケージの絵柄が異なります。例えば9個入は桃太郎のみのイラストですが、15個入は桃太郎+犬(※別バージョンもあり)。さらに24個入は桃太郎+犬+キジ+猿+鬼と、どんどんキャラクターが追加されていきます。これは、きびだんごをあげることで少しずつ仲間が増えていく、桃太郎のストーリーをなぞっているのだとのこと。敵であるはずの鬼も皆に交じって並んでいるのが可愛らしく、なんともいえぬ癒しを感じます。


実はこちらのきびだんご、発売当初はまったく別のパッケージデザインだったそうです。しかし、デザイン事務所シファカとともにリブランディングを計画、2019年にイラストレーターNoritake氏を起用したデザインへ一新し、現在のパッケージで発売を開始しました。このような「リブランディング」は難しく、場合によっては売り上げを伸ばすどころか、商品や企業ついている古参のファンを失うリスクもあります。そのため慎重に進めるべきと言われていますが、このパッケージに関しては大成功といえるのではないでしょうか。

このパッケージデザインには、SNSでもさまざまな声が挙がっていました。

「部屋に飾っておきたくなるくらいスタイリッシュで可愛い箱」(@yukiao07さん)
「お味はもちろん美味しかったのですが 1つ1つの包装も可愛くて それも取って置きたかったのですが(笑)さすがに無理で外箱だけ保存」(@jietsuさん)
「なんとも無表情な桃太郎が気になって買ってみた。一つ一つの包装が何ともいえずほのぼのしておりつい並べる。」(@akirasenpai611さん)
「とっても可愛いきびだんご 桃太郎も鬼も優しいお顔。戦えないね〜」(@eri8831さん)
「「個装きびだんご」なので、仲間に配るもよし、自分で好きなだけ食べてもよし。」(@oishii_food_selectionさん)
「岡山のお土産です。ひとついただいたので桃太郎のお供をせねば。」(@cb_comtaroさん)
「1個はめめたろうの 家来希望者にあげた でも言うこと聞かん キーッ 鬼倒せんやろがい」(@mememe_megさん)
「会社に買って帰ったけど、食べれんかった人、ごめんね。帰り際にE部のYさん、2つ食べたよ。Yさん、食べたからにはお供して下さーい!」(@salio_okayamaさん)



誰かにあげたりもらったりすることで、キズナが深まる。そんなエピソードで溢れています。桃太郎の昔話と同様に、“自分と他者をつないでくれる”お菓子。やはりこの新パッケージの功績は大きそうです。





<廣榮堂武田 きびだんご商品ページ>