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2019年8月26日

~日本古来の自然美が宿る~「海」がモチーフのパッケージ

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夏といえば、海。土地や天候や気温によってさまざまに表情を変える海ですが、やはり誰もが真っ先に思い浮かべるのは、青く透きとおった海水、明るい日差しを照り返し真っ白に輝く砂浜、打ち上げられた無数の貝殻の美しさではないでしょうか。今回は、そんな素敵な海辺の風景がお菓子とパッケージで再現された「かしこ」の「貝」をご紹介します。
 
 
 

パッケージ紹介

「貝」は香川県産の色白な和三盆糖と沖縄産の黒糖からつくられる甘い干菓子。その名の通り、お菓子の一つひとつが本物と見まがうような貝殻の見た目をしています。公式サイトには、以下のように解説されていました。
 

「瀬戸内海に浮かぶ「直島」の自然の美しさと、現代アートとの融合に触発されて生まれた菓子」
かしこ公式サイトより )

 
確かに私たち日本人の心をくすぐるノスタルジーに溢れながらも、どこかかしらモダンでスタイリッシュな芸術美を感じさせるお菓子です。
 
 
自然と芸術の調和。その流儀は、パッケージデザインにも踏襲されています。独特の曲線で造形された四角い白箱(6個・9個・12個入り)。表面には青色の文字で「かしこ kasiko」と記され、開閉部分には同色の細い縄紐があしらわれているのみで、ほかに目だった装飾はありません。
 

 
シンプルさに徹底しているのは、おそらくこのお菓子が“無垢な自然”をコンセプトにしたものだからでしょう。「白」と「青」2つのカラーは、「砂浜」と「海」を表した色味。柔らかくカーブした曲線の連なりは、穏やかに凪いだ瀬戸内海の波を彷彿とさせます。パッケージ全体に漂うどこかやさしく懐かしい風合いも、昔ながらの無漂白な紙や木綿の紐を素材に使用しているからこそ。まさに、「ここに自然美極まれり」といった一品です。
 
 
 

分析と個人的見解

このパッケージには、もう一つの仕掛けがあります。それは、「かしこ」という菓子名に由来したデザインとなっていることです。

「かしこ」は、古語の「畏(かしこ)し」が由来で、もともとは「もったいない」「恐れ多い」を意味する言葉でした。一説によれば、平安時代頃から女性が手紙をしたためる際に文章の「結び言葉」として使いはじめたようです。手紙に用いられる「かしこ」は、「かしこまって申し上げます」「これにて失礼いたします」の意味を持ち、相手への敬意や思いやりを表す言葉として、現代もなお使われています。

手紙にも封筒にも小包にも似た「貝」のパッケージ。きゅっと結ばれた青い紐をほどくと、美しく繊細な貝殻たちが姿を現します。まるで、「海辺を散歩していたら素敵な貝殻を拾ったのであなたに」とでもいった風。「心を込めて贈ります」「あなたのことを想っています」という贈り手の想いと、静かな潮騒の音までもが聴こえてくるかのようです。

ロマン溢れるこのお菓子には、SNSにも以下のようにさまざまな反響が寄せられています。
 

「とても綺麗だ…贈り物にしたい」(@apfelmannchenさん)
「美しいのでいつか誰かに買いたい」(@koyomi_matsubaさん)
「ほろりと崩れて優しい甘さが口の中に広がります。美しい」(@PlasticGirl_naoさん)
「お菓子そのものや包みまでため息が出るほど繊細です」(@h03yzkさん)
「パッケージも技術と想いを込めた造形。決して声高ではないけど深い物語が伝わってきた」(@yuuzohoscarさん)

 
 
 
 
貝型のお菓子の精巧さ、そしてそれを最大限に引き立てるパッケージのデザイン性の高さに心打たれる人が続出しているようです。なお、「貝」のパッケージはほかに、白い和紙に水引で結んだバージョンもあり。いずれにせよ、贈る人への想いがそのまま内包されたかのようなパッケージデザインは、「相手に真心を伝える」という贈り物の本質を思い出させてくれるものです。
 
 

 

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