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2020年12月15日

デザインが伝えるシェフの想い「お菓子をもっと美味しく感じる」美術品のようなパッケージ

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商品のパッケージデザインは、どのようにつくり出されるのでしょうか?たとえばお菓子なら、見た目や味や風味から「こんなパッケージだったら似合いそう」「こんな色や模様にしたいな」などと想像を膨らませてデザインを考え出す。そのように、試行錯誤する様子が浮かびます。今回は人気洋菓子メーカー・エスコヤマの「「ガトー・ア・ラ・ブロッシュ」の一風変わった見た目のバウムクーヘンの、シェフの並々ならぬ想いが詰まったパッケージデザインを詳しくご紹介しましょう。

 

パッケージ紹介

ドイツ発祥のお菓子バウムクーヘン。ドイツ語で「バウム」は「木」を、「クーヘン」は「ケーキ」意味する言葉で、バウムクーヘンはその名の通り木の見た目をしたケーキです。よく売られているのは、年輪のような模様が入った輪切り状のものではないでしょうか。

ところがエスコヤマの「ガトー・ア・ラ・ブロッシュ」は、輪切りにする前の状態。つまり、焼いたままの“丸ごと”で売られている、めずらしい見た目のバウムクーヘンです。黒糖のダークな色合い、そして米粉のもっちりした食感など、材料からして独創的な一品となっています。

 

そんな唯一無二のバウムクーヘンは、パッケージもまた中身に負けず劣らずユニーク。その特徴は、ぼこぼことした無数の凸凹に、背の高いバウムクーヘンをすっぽり覆う細長い形。真っ白な箱にプリントされた箔押しのロゴも、一見シンプルですが美術品のような気品と高級感に溢れています。

 

そもそも、「ガトー・ア・ラ・ブロッシュ」は、エスコヤマのチョコレート専門店「Rozilla(ロジラ)」オープンするときに、「あのショップにはコレがある、というようなこのショップのアイコンになるアイテムを創ろう」ということでつくられたお菓子です。

そして形が出来上がったときに、「こんな面白い形のお菓子を包むのは、普通のパッケージじゃアカンやろう。」と考えたシェフがつくったのはこのようなパッケージでした。

この写真のパッケージもすべて紙でできており、これがずらっとショーケースに並んでいたら照明の当たり方で陰影が付いてきっと面白いだろう。という画まで浮かんだうえで製作を依頼しました。

そして、現在の手織りのパッケージは2代目です。

1代目はとある事情でつくれなくなったので2代目に変わったのですが、1代目の奇抜さを2代目が超えられるかという高いハードルだったのですが手織りのパッケージは決して見劣りしない、紙の可能性を感じるパッケージになりました。

これを創るときには、Rozilla店内の照明なども考えながら、「陰影が付いて不思議さもあり、カッコ良さもあるパッケージができるな。」と思ったそうです。

 

 

分析と個人的見解

同店のシェフは、もともと絵やデザインが大好きで、グラフィックデザイナーを目指していた過去の持ち主。そのためか、パッケージにかける想いも生半可なものではありません。公式ホームページには、パッケージデザインに言及する内容が以下のように掲載されています。

 

『「紙」という自然の産物である樹木を原料とした素材を使わせていただくのなら、ただ保護のため、持ち運びのため、という目的だけでなく「楽しい」「面白い」「そのお菓子がもっと美味しく感じられるように」と考えることが私たちの仕事だと思っています。(中略)このパッケージに出会った子どもたちが、空になったパッケージで工作をしたり、「『もっと面白いものを作ろう』と思っていただけたらいいなと思い、ガトー・ア・ラ・ブロッシュだけでなく、他のどのお菓子も、子どもの想像力を掻き立てるような面白いパッケージに入れるようにしています。」
(エスコヤマ公式ホームページよりhttps://www.es-koyama.com/rozilla/special/001.html

 

シェフにとってのパッケージデザインは、「皆に楽しんでほしい」「多くの人に喜んでほしい」という心そのもの。そんな真剣な思いが伝わってきます。

 

さらにこのパッケージに関しては、SNSでも以下のような声が見られました。

 

「見た目に惹かれますね〜」(@baum_daynightさん)

「周りが黒糖になってるバウムクーヘンで、パッケージも面白いなぁ〜と思って買ってみた」(@yyy0925さん)

 

美味しさもさることながら、パッケージデザインが人を惹きつけていることが分かります。自分で楽しむだけでなく、贈り物としても喜ばれるデザインなのではないでしょうか。シェフの誇りと情熱のこもったパッケージを、ぜひ直接手にとって眺めてみてください。

 

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